2018年8月21日火曜日

20180821タイムマシンは造れるのか




量子もつれ(エンタングルメント)と量子重ね合わせを利用した量子コンピュータが既に実用化されている。人間の脳は量子コンピュータであると考えられている。量子は時空を超えた存在である。

もしかして人間が認識できていない世界に、つまり時空を超えた世界には過去の人も未来の人も存在している可能性がある。

下記の記事は『iRONNA』で見つけたものである。人類はそう遠くない未来に「タイムマシン」を造ることができるかもしれない。そのとき、ようやく科学と仏教が融合するのだ。



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タイムマシンは造れるのか 科学者たちの挑戦『BBC



20180814 14:40 公開



タイムトラベルは空想の産物のように聞こえるかもしれないが、実現可能だと考える科学者もいる。BBCホライズンは、サイエンスフィクションの定番を現実にするための、特に有望なアイデアをいくつか紹介する。



ロン・マレット氏には夢がある。時間を旅行したいという夢だ。これは単なるファンタジーではない。マレット氏は米コネチカット大学の権威ある物理学教授だ。



マレット教授は自分自身について、「情熱を抱く普通の人間だと思う。タイムトラベルの可能性に、私は情熱を注いでいる」と話した。



教授はもうずっと長いこと、タイムマシンを作りたいと考えて生きてきた。自分の情熱は幼少時代の悲劇がきっかけだろうと言う。



ヘビースモーカーだったマレット氏の父は33歳の時、心臓発作で亡くなった。わずか10歳だったマレット氏は打ちのめされ、本の世界に没頭した。



BBCホライゾンでマレット教授は「それから1年して11歳になった時、人生を変える本に出会った。それがHG・ウェルズの『タイムマシン』だ」と語った。



「まずは表紙が目にとまったが、本を開いて読んだとき、そこには『時間は空間の一種に過ぎないと、科学者はよく承知している。空間と同じように時間も前へ進んだり後ろへ戻ったりできる』と書いてあった」「それを読んで『素晴らしい!』と思った」



マレット教授は、「タイムマシンを作れれば過去に戻って父に会うことができるし、もしかしたら父を救って全てを変えられるかもしれない」と話す。



タイムトラベルは非現実的に聞こえるかもしれないが、科学者はすでに、マレット教授の夢をかなえるかもしれない様々な自然界の謎を調べている。



物理学者のアルバート・アインシュタイン氏は、3次元空間は時間とつながり、時間が4時元として機能していると考えた。アインシュタインが時空連続体と呼んだこの構造が今日の宇宙のモデルとなった。



しかし一方でアインシュタインは、この時空連続体を折り曲げることで遠隔の2地点間に近道を作れると考えていた。この現象はワームホールと呼ばれ、時空連続体の2カ所に開口部があるトンネルとして描かれる。



ワームホールは宇宙に自然に存在するかもしれない。実際、ロシアの科学者は電波望遠鏡を使ってワームホールを観測しようとしている。しかし、ワームホールをタイムトラベルに使うのは一筋縄ではいかない。



地球に最も近いワームホールでも数光年先にある可能性がある。もしそこまでたどり着き、通り抜けることに成功しても、どこに行き着くかの保証はない。



将来的にはワームホールを作り出せるようになるかもしれないと推測する科学者もいる。しかし現状、その方法は考案されていない。



物理学的には、ワームホールは中に入ったものを破壊し押しつぶすだろうと言われる。もしタイムマシンがワームホールを使うようになったら、この不都合な特性を止める方法の考案が必要だ。



謎に包まれた暗黒エネルギーがその糸口になるかもしれない。天文学者は1990年代、徐々に減速すると考えられていた宇宙の膨張がむしろ加速していることを発見した。



豪クイーンズランド大学の宇宙学者タマラ・デイビス教授は、「宇宙には引っ張るのではなく押す作用を持つ、反重力的な効果を持った何かがある。それが何かは分かっていないが、宇宙の大半を構成する物質だ。それを暗黒エネルギーと呼んでいる」と説明した。



ワームホールがタイムトラベルに使えるのは、その「口」が開いているときだけだ。ワームホールの「口」を通って物質が移動するには、自然界には存在しない負のエネルギーが必要だという。



宇宙を満たす暗黒エネルギーはこの条件に合っている。その実態を解明できれば、ワームホールを端から端まで通り抜けるのに必要な間、暗黒エネルギーで「口」を開けておけるかもしれない。



「ワームホールを作れるのか、その技術が我々にあるのか、分からない。しかし人類の文明が将来的に何ができるようになるのか、分かりようもない」とデイビス教授は話す。「技術の進歩は目覚しく、時空そのものを制御できる日が来るのかもしれない」



ワームホールは物理学の中でもどちらかと言えば、理論上の推論という性質が強い。タイムトラベル実現を考えるひとつの方向性ではある。しかし、マレット教授には別の考えがある。



教授は実際にタイムマシンの設計図を作った。アインシュタイン方程式について12歳で読んだ本が、ヒントとなっている。



マレット教授は、実際に動くタイムマシンの製造に使えるという原理を説明するため、卓上電子端末を造った。



この端末はまず、レーザーを使って循環する光線を生み出す。マレット氏によれば、この「レーザーの輪」の内側の空間は「コップの中のコーヒーを混ぜたときのように」ねじ曲がるはずだという。



時間と空間は密接につながっているため、ねじ曲がった空間では時間もねじれるはずだ。マレット教授の理論では、十分に小さな空間で十分な密度のレーザーを循環させれば、私たちが暮らす直線状の時間軸を変化させることができるかもしれない。



「空間を十分な強度でねじ曲げれば、直線状の時間軸も環状にねじれるだろう。もし時間がいきなり環状にねじ曲がれば、過去に旅することも可能になる」とマレット氏は説明した。ただし、これを成功させるには膨大な力と、全てを極小サイズに小さくする方法が必要だ。



それでもタイムマシンが手に入ったとして、まともに使うためには、時間そのものの詳細な理解が必要となる。



通説では、宇宙は変化しない時空の「かたまり」だと考えられている。これはアインシュタイン方程式から直接導き出されるものだ。



「このモデルでは、現在と過去、未来が等価の現実だというのが重要な点だ。つまり、過去に存在したもののも、今存在しているものも、これから存在するものも、時空のどこかにある」と、豪シドニー大学時間研究所のクリスティー・ミラー博士は説明する。「恐竜は過去のどこかで恐竜らしいことをしていて、私たちはここにいる。未来もすべて、時空上のどこかに存在している」



この時空モデルを想像するには、時間軸の別の場所を、空間の別の場所のようなものと考えるといい。ミラー博士は「私たちはシドニーにいるが、シンガポールやロンドンにも他の人がいる。どの場所もすべてまったく本物だ。自分たちはそこにいないというだけで」と説明した。



これはタイムトラベラーになりたい人にとっては朗報だ。自分のいる時間と場所を、他の時間と場所に置き換えるのに、何の支障もないということだ。



しかしこのモデルでは、過去・現在・未来はどれも全て確定している。これも重要なポイントだ。つまり、過去にさかのぼっても事実を変えることはできない。有名な例を挙げるなら、過去にさかのぼって誰かの祖父を殺し、その孫が未来に存在するのを食い止めることができてはならないのだ。



かたまりモデルは我々が日常で使っている時間の概念、人間が合理的なものとして得理解している現実を、幻想の産物のように扱う。しかしカナダ・ペリメーター研究所のリー・スモーリン教授は、そうは思っていない。スモーリン教授によれば、時間の経過というのは実際の、根本的な現象なのだという。



「タイムトラベルはおそらく不可能だ。もしも、現実とは現在の一瞬一瞬を意味して、過去とは現在に記録や記録がなければ現実のものとは言えないし、そして未来はまだ現実に存在していないのだとすると(中略)時間軸を移動したところで行ける先がどこにもない」

ペリメーター研究所のニール・トゥロク所長は、量子物理学の奇妙な世界が、タイムとラベルの謎を解くために不可欠だろうと考えている。



量子物理学は、私たちが学校の教科書で習った古典的な物理学の法則が破綻する、極微の世界を司る。たとえば量子物理学の世界では、ひとつの素粒子が複数の場所に同時に存在できるかもしれない。



トゥロク所長は「時間を逆行できる可能性があることははっきりしていると思う。量子物理学では不可能なことはない。素粒子が壁を通り抜けることもできる!」と話した。

トゥロク教授によると、「今現在、時間を逆行する方法について、使えそうなアイデアを本当に持っている人は今はいない」。そのため、タイムトラベルは今なお、遠い夢にすぎないという。



その上でトゥロク氏は、「絶対に『絶対無理』などと言ってはいけない。頭のいい誰かがそのうちやってきて、決まりごとを破る方法を教えてくれるから」と付け加えた。

(英語記事 'We can build a real time machine'