2016年4月14日木曜日

仏教の「因果応報」が証明される一例


以下の点線より下は、Windows10「マイニュー」から引用した記事の全文である。
人間は‘ヒト’という生物であり、動物である。
この‘ヒト’は、種を保存するため生物一般のメカニズムを持っている。
物事には‘原因’があり、その‘結果’がある。‘ヒト’が生物として行っていることは、動物の中で最高の知性をもつ‘ヒト’が、人間として煩悩に苦しむ報いを受ける。それも世代を超え、空間を超えて報いを受けるのである。

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【驚異の遺伝子学】昔セックスした男の遺伝子は女の体内に残り続ける!! Y染色体転移の恐怖とは?

 待ちに待った産婦人科でのご懐妊の一報から、やがて生まれてくる子どもを、人は夫婦の“愛の結晶”と呼ぶ――。だが驚くなかれ、愛に満ちた“共同作業”で生まれた新たな命は、実は夫婦だけのものではないかもしれないのだ。


■マイクロキメリズムとは?

 いきなりそう切り出されてもピンとこないかもしれないので、順を追って説明せねばなるまい……。

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染色体 画像は「Wikimedia Commons」より
 人間の性別を決定しているのは細胞の中にある性染色体で、男性ならXYの染色体が並び(XY)、女性はX染色体が2つ並んでいる状態(XX)Y染色体がないことはご存知の方も多いだろう。これは現代の遺伝学の基本中の基本なのだが、実は女性の中にも血液細胞や生殖細胞の一部にY染色体を持っている人がけっこうな割合でいることが徐々にわかってきている。これはどういうことなのか。

 近年の研究によって、これは「マイクロキメリズム(microchimerism)」と呼ばれる状態であることがわかり、男児を出産した経験をもつ母親に起り得る現象であると説明されている。胎内にXYの性染色体を持つ男児を懐妊していることで、母体の側に男児のY染色体が移行したケースであり、その結果女性でありながらY染色体を持ったままその後の一生を送ることになるのだ。妊娠中、母子はお互いの遺伝子に影響を与え合っており、もちろん男児の側に母の遺伝子が移ってくることもある。

 少し前まで、このマイクロキメリズム現象によってY染色体を持つことになった女性は、男児出産経験のある女性に限ると考えられてきた。男児を懐妊するという、生体レベルで男性と“異心同体”になる経験がなければ、とてもじゃないがY染色体の移動は起らないだろうと思われてきたのも尤もなことだろう。しかしさらにサンプリング調査を重ねていくと、男児を出産した経験がない女性の血液細胞からもY染色体が発見されてくるようになったのだ。こうして事態は混迷の一途を辿る……。

セックスでY染色体を獲得!?

 遡ること2004年、この謎に迫るべくアメリカの「フレッドハッチンソンがん研究センター」で、男児出産経験のない120人の女性を対象に調査が行なわれた。被験者の女性たちの血液細胞を調べてみるとやはり、男児出産経験がないにもかかわらず、21%の女性がY染色体を持っていることがわかったのだ。

 因果関係を分かりやすくするために、この21%の女性を4種類に分類してみると、さらに興味深い傾向が分かったのだ。その4分類と、Y染色体保有の割合が下記だ(3%の女性は分類不可能のようだ)

A=女児のみ出産した女性:8
B=自然流産の経験のある女性:22
C=人工流産(人工妊娠中絶)経験がある女性:57
D=妊娠をしたことがない女性:10

 流産の場合、胎児の性別が不明(あるいは確認しない)であることが多いと思われるため、BCは男児を懐妊していたかもしれず、そのぶんY染色体保有率が高いのは納得がいく。しかしなぜCBにこれほどの差があるのかはよく分からない。

 ともあれ注目すべきなのは、マイクロキメリズム現象を引き起こす要素がまったくないにもかかわらずY染色体を保有しているADだろう。そしてADY染色体を獲得するには、以下のことが考えられるという。

1.気づかないで流産した男児からY染色体を獲得(該当していた場合)

2.双子(多胎児)の男の兄弟からY染色体を獲得(異性を含む多胎児の場合)

3.兄から母体を経由して兄由来のY染色体を獲得(兄がいる場合)

4.男性とのセックスでY染色体を獲得

 残念ながらこの研究はここで終わっておりさらなる調査を未来に託すことになったが、「4.男性とのセックスでY染色体を獲得」という可能性が指摘されたのは興味深い。妊娠に到らなくとも、セックスによって相手の男性のY染色体を獲得するかもしれないというのだ。とすれば、その後に別の男性と結婚して授かった子どもに、以前セックスした男性の影響が及ぶことも有り得るということになる。


■「ウイルス進化論」とは

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画像は「Wikipedia」より
 ある個体の遺伝子情報の伝承は、直接我が子を生むことだけにはとどまらないという考え方も以前から注目されている。人間を含む生物はウイルスを媒介にして遺伝子を交流させお互いに影響を与え合い、一部の遺伝子情報を書き換えているというのだ。そして生物の進化もまたウイルスの感染によって起きていると考えるのが「ウイルス進化論」である。

 ウイルスが媒介になりうるのなら、妊娠には到らないにしても濃厚な粘膜の接触()を伴うセックスが遺伝子レベルの影響を及ぼさないはずがないと考えるのは真っ当なことかもしれない。

 あえて誤解を怖れずに言えば、この「ウイルス進化論」は生涯独身でいることが濃厚な男女にとって希望の光かもしれない。生殖行為を行なわなくても、なんらかの形(!?)で自己の遺伝子を後世に残せる可能性があるからだ。また、最愛の人とゴールインする夢を果たせずに結婚生活を送る女性にとっても夢が広がるものになりそうだ。なぜなら過去に愛した人の“遺伝情報”が我が身に消えることなく刻みつけられており、授かった我が子に影響を与えるかもしれないからだ。とすれば、その後別れることになるにしてもしっかり身体に記録される11回の“恋の逢瀬”が、これまで以上に大切に感じられてくるのではないだろうか。行きずりの恋、一夜の過ちなら誰でもいい、というわけにはいかないことにもなるのでご留意されたし……。

(文=仲田しんじ)